「Inscryption」をクリアしたので評価とレビューを書いておきます。
Inscryption
https://store-jp.nintendo.com/list/software/70010000051033.html
ジャンル:カード / ホラー
発売日:2022年12月1日
評価レビュー
メタスコア:85
私の感想評価レビュー
総合80点
音楽 | 4.0 |
グラフィック | 4.5 |
ゲームプレイ | 4.0 |
ストーリー | 4.0-5.0 |
システム | 3.5 |
簡易まとめ
デッキ構築系のカードバトルと、ホラー系の謎解き脱出を合わせた非常に独特なゲームでした。
特にストーリーが始まりから終わりまで奇妙な構成になっていて、難しいのですが演出も相まって引き込まれます。
ゲームには多くの謎が隠されていて、トゥルーエンドにたどり着くには現実世界のバンクーバー(カナダ)にある森まで行ってフロッピーディスクを掘り出す必要があるというような非常に手の込んだ仕掛けがあったりします。
このような現実世界をゲームの一部として取り込んで、現実と仮想を交差させる体験を代替現実ゲーム(ARG)というらしいです。
ゲーム内で見れるビデオのワンシーン。現実世界でもこの場所に行くと破壊されたフロッピーディスクが見つかったという。
私はそのような仕掛けがあることすら知らずに始めて「何かおかしいなー?」と思いつつクリアまで行きました。このレビューを書く前に調べて初めてそのような仕込みがあったと分かったぐらいだったので、私はARGパートの魅力は十分に感じられませんでしたが
ARGの内容を追ってみるとかなり手の込んだものだったと分かったので、発売直後にその謎解きに参加した人たちは狂気的な作り込みに驚き、特別な体験ができたと思います。
中にはInscryptionが発売する3年以上前にリリースされたゲームで特定の状況を再現すると暗号解読に必要な鍵が出現する、というようなものもありました。
そのような謎解きを全て解き終えると最終的に1本の動画(YoutubeのURL)にたどり着いてストーリーが補完されるということでした。動画と解説ページは最後に貼っておきます。
グリズリーとカマキリを融合させた最初の1枚が強すぎました。俺TUEEE
ゲームプレイはローグライト(ランダム要素+繰り返す度に徐々に強化される)なデッキ構築系のカードバトルですがこちらが有利になる運要素が大きいので、運が良いとボコボコに出来てしまうのが良かったり悪かったりしました。
雰囲気は全体的に暗くてホラーな感じなのですが、カードバトルで負けたり、脱出ゲームの謎解きを間違えたりしてもペナルティがほとんどないのは良かったです。
軽微なペナルティとしてプレイヤーは目玉をくり抜かれたりしますが・・・そこにも謎解きのヒントがあったりして面白かったです。
ストーリーとゲームプレイが少し難解で、審査レートも「IARC16+」なので
16歳以上の方でホラーのジャンルが好きな方、もしくは尖ったインディーゲームが好きな方にオススメの一本です!独自性だけで言えば凄く際立っているのでやっておくべきだと思いました。
プレイ時間
12時間ぐらいだと思います。最初の小屋は7回目の挑戦でクリアできました。それ以降は一度も負けなかったので割りとスイスイ行ったと思います。
クリア後のMOD版は進めていませんが倍ぐらいの時間で収まると思います。(コメントによるともっと長く楽しめるよ!とのことです。)
気に入ったところ
- ビデオやゲーム内ゲームを感じさせる演出
もう少し詳しく
音楽
◯ホラーを感じさせる音楽が効果的で良かったです。ゲームゲームしたものは少しだけ。
△音量が大きくなり過ぎるところがある。
グラフィック
◯特別に高精細だったり綺麗だったりするわけではありませんが必要十分で、演出が良いので世界観に入り込めました。
◯全体的に暗いのにカードの情報がしっかり見える。
△カードが喋るテキストが読みにくい。フォントが小さく、かすれていてテンポも早い。
◎ゲーム内のゲーム(PC)を感じさせる演出が良かったです。典型的なバグ演出は何故か恐怖を感じますね。
ゲームプレイ
◯序盤の遊び方が分かりにくい。でも徐々に理解が深まる手探り感が良かったです。
(コンティニューからしか始められないというストーリーがあっての評価。)
◎回復アイテムの使用に自傷ペナルティがある演出が面白い。なんの為のペンチなのかなー?と思って使うと・・・ギャー!
◯ローグライト要素のカード生成(引き継ぎ)が面白い。運が良いと俺TUEE出来ます。
◯謎解き要素にペナルティがない。雰囲気的には何か間違ったことをするとすぐ◯されそうな雰囲気なのですが全然何もしてきません。でもカードバトルに負けると・・・。
△部屋が暗すぎてマス移動で壁にぶつかりやすい。ミニマップは流石におかしいですが、もう少し目印があればなーと思いました。
ストーリー
◎始まり方が面白い。コンティニューからしか始められず、勝つまで何度もやらされるというのが謎めいていました。
◎区切りごとに出てくるビデオも謎めいていて面白い。怖さもありました。
△謎がたくさん隠されているが全てを見つけるのは難しい。この手のジャンルが好きな人にとっては最高のネタなんでしょうが、鮮度的にもそれを体験できる人は限られてくるので・・・。
システム
◎クリアまでフリーズもなく安定していました。オートセーブも細かく入って中断もしやすかったです。
非常に独特なゲームでクリアまで短いのでインディーゲームをよく遊ぶ人には凄くオススメです。コスパはよくありませんが他には無い体験なので満足できると思います。
デッキ構築系のカードバトルは他にも面白いゲームがあるので、全体の雰囲気や演出を楽しみましょう。
ARGの解説と動画
かい摘んで説明すると
タップで開く(ネタバレ)
動画はストーリーのラストを否定するような内容になっています。ストーリーではヒトラーに関する極秘文章(OLD_DATA)が含まれたフロッピーディスクをデータ的にも物理的にも破壊したという終わり方でしたが、動画ではその極秘文章を含む「Inscryption」がオコジョ=P03によって勝手にアップロードされている様子が映っています。
面白いですよねー 某桜井さんが2021年に発売されたゲームの中で、最も感心させられた(あるいは衝撃を受けた)タイトルで挙げるだけはあります
序章の死のカードで「引ければ勝ち」みたいなカードを作ったりできるイカれたバランスが好きです
クリア後のmodは…腕前が伴わずノーコスト不死のカードを作っても勝てなかったりして中々厳しい