種籾選別から収穫するまで稲がどのように成長していくかを調べました。
「何時間でどこまで成長するのか?」「早植にするには田植えはいつ行うのか?」など。
季節と時間
季節は1日で1ヶ月、時間は確認するのがちょっと難しいですが24時間あります。
解説では日付が変わった地点を0時としています。
稲作スケジュール
期限がある工程
季節 | 開始可能 | 終了日 |
---|---|---|
冬1 | ||
冬2 | 収穫 稲架掛け 精米 合鴨 |
|
冬3 | 田起こし 種籾選別 | |
春1 | 田植え(育苗18時間後) 合鴨 |
田起こし 種籾選別 |
春2 | ||
春3 | ||
夏1 | 田植え | |
夏2 | ||
夏3 | ||
秋1 | ||
秋2 | ||
秋3 |
稲作の最終日が冬の2で、冬の3になると収穫、稲架掛け、精米を全て田右衛門が行います。「収穫」と「脱穀」を田右衛門に任せると0.8倍のマイナス補正が掛かります。
「田植え」を任せると0.5倍のマイナス補正。全部自分でやりましょう。
冬の3になると「田起こし」と「種籾選別」が行えるようになります。
種籾選別を行うとその後の成長スケジュールが決定するのでタイミングは重要です。
田起こしは全力100%を狙いましょう。元肥は肥料過剰にならないようにします。
合鴨はヤっちまうなら冬2までです。真夜中、奴らが寝ている間に・・・!
稲の成長スケジュール
季節 | 最速 | 最遅 |
---|---|---|
冬1 | ||
冬2 | ||
冬3 | 0時:育苗 18時:田植え可能 |
|
春1 | 苗 | |
春2 | 7時~:一次分けつ | 0時:育苗 18時:田植え可能 |
春3 | 7時~:二次分けつ 12時~:三次分けつ |
苗 |
夏1 | 12時~:出穂 | 7時~:一次分けつ |
夏2 | 6時~:登熟 | 7時~:二次分けつ 12時~:三次分けつ |
夏3 | 8時~:収穫可能(成熟) | 12時~:出穂 |
秋1 | 12時~:過熟 | 6時~:登熟 |
秋2 | 8時~:収穫可能(成熟) | |
秋3 | 12時~:過熟 |
稲は種籾選別を終えると「育苗」が始まり、「苗期」になります。
その後は「収穫可能」になるまで決められたスケジュールで成長していきます。
植えるタイミングを早くしたり遅くしたり、天候や水かさを変えたりしても変わらず、時間経過で成長していきます。
最速冬3に育苗を始めて夏1に植えた場合はいきなり出穂しています。
次の段階まで必要な時間
- 苗→一次分けつ:2日と7時間
- 一次分けつ→二次分けつ:24時間
- 二次分けつ→三次分けつ:5時間
- 三次分けつ→出穂:24時間
- 出穂→登熟:18時間
- 登熟→成熟:26時間
- 成熟→過熟:28時間
登熟期について
「登熟期」というワードは農書『量・秋の巻』に出てきますが、稲の強さには「成熟」と「過熟」しか表示されないので強さを見ても分かりません。
登熟期を調べるには水かさを調整しながら稲の強さをメモしていけば分かるはずなので、調べてみました。
計測条件
- 出穂は夏1の12時(最速パターン)
- 水かさは強さ確認後に40%(深水)まで上げる
- 水かさ以外の手入れなし
時間 | 状態 | 量 | 味 | 硬 | 粘 | 美 | 香 |
---|---|---|---|---|---|---|---|
夏1の12時 | 出穂0% | 5220 | 4155 | 4111 | 3823 | 3629 | 4023 |
夏1の13時 | 40%微高 | 5220 | 4115 | 4111 | 3823 | 3630 | 4025 |
夏1の18時 | 34%微低 | 5222 | 4155 | 4111 | 3823 | 3638 | 4031 |
夏2の0時 | 33%低 | 5223 | 4115 | 4111 | 3823 | 3639 | 4032 |
夏2の6時 | 37%微低 | 5225 | 4155 | 4111 | 3823 | 3650 | 4036 |
夏2の12時 | 31%並 | 5231 | 4155 | 4111 | 3823 | 3653 | 4037 |
夏2の18時 | 33%低 | 5233 | 4155 | 4111 | 3823 | 3653 | 4037 |
夏3の0時 | 32%微低 | 5233 | 4155 | 4111 | 3823 | 3653 | 4037 |
夏3の6時 | 33%並 | 5233 | 4155 | 4111 | 3823 | 3653 | 4037 |
夏3の12時 | 33%微高 8時に成熟 |
5233 | 4155 | 4111 | 3823 | 3653 | 4037 |
夏3の18時 | 33%微低 | 5233 | 4155 | 4111 | 3823 | 3653 | 4037 |
秋1の0時 | 32%微高 | 5233 | 4155 | 4111 | 3823 | 3653 | 4037 |
秋1の6時 | 33%並 | 5233 | 4155 | 4111 | 3823 | 3653 | 4037 |
秋1の12時 | 過熟 | 5233 | 4155 | 4111 | 3823 | 3653 | 4037 |
冬2 | 過熟 | 5233 | 4155 | 4111 | 3823 | 3653 | 4037 |
出穂期に「深水 」だと「美」が上がるので水かさは6時間ごとに多めに40%まで入れておきました。
結果を見ると「夏2の12時」まで美が上がり続けています。
時間もちょうど24時間なのでそれっぽいですね。
計測条件
- 出穂は夏1の12時(最速パターン)
- 水かさは0%かけ流し
- 一切の手入れなし
時間 | 状態 | 量 | 味 | 硬 | 粘 | 美 | 香 |
---|---|---|---|---|---|---|---|
夏1の12時 | 出穂 | 5220 | 4155 | 4111 | 3823 | 3629 | 4023 |
夏1の13時 | 高 | 5220 | 4115 | 4111 | 3823 | 3629 | 4025 |
夏1の18時 | 低 | 5222 | 4155 | 4111 | 3823 | 3629 | 4035 |
夏2の0時 | 低 | 5222 | 4115 | 4111 | 3823 | 3629 | 4036 |
夏2の6時 | 低 | 5225 | 4155 | 4111 | 3823 | 3629 | 4054 |
夏2の12時 | 低 | 5232 | 4155 | 4111 | 3823 | 3662 | 4060 |
夏2の18時 | 低 | 5236 | 4155 | 4111 | 3823 | 3682 | 4063 |
夏3の0時 | 低 | 5236 | 4155 | 4111 | 3823 | 3682 | 4063 |
夏3の6時 | 微低 | 5237 | 4155 | 4111 | 3823 | 3685 | 4063 |
夏3の12時 | 並 | 5239 | 4159 | 4136 | 3910 | 3756 | 4070 |
夏3の18時 | 微低 | 5239 | 4159 | 4136 | 3910 | 3756 | 4070 |
秋1の0時 | 微高 | 5239 | 4159 | 4136 | 3910 | 3756 | 4070 |
秋1の6時 | 微高 | 5239 | 4159 | 4136 | 3910 | 3756 | 4070 |
秋1の12時 | 微高 | 5239 | 4159 | 4136 | 3910 | 3756 | 4070 |
冬2 | 過熟 | 5239 | 4159 | 4136 | 3910 | 3756 | 4070 |
「深水」が夏2の12時まで有効だったので「かけ流し」も夏2の12で「美」が上がるのは予想外の結果です。
6時から12時の間に登熟期に移る場所があるかもしれないので、さらに細かく1時間区切りで調べましょう。
成熟したときの変化
その前にもうひとつ気になるのは、成熟した地点で(夏3の12時)で、深水のときは変化がなかった全ての強さが上がっています。
これは成熟時に全ての数値が上がるのが普通で、深水パターンは水かさによる病気やらでマイナスになったことが考えられます。
さらに細かく比較
時間 | かけ流し | 深水 | 水なし |
---|---|---|---|
夏2の6時 | 3629 | 3635 | 3629 |
夏2の7時 | 3637 | 3635 | 3629 |
夏2の8時 | 3642 | 3635 | 3629 |
夏2の9時 | 3647 | 3635 | 3629 |
夏2の10時 | 3652 | 3635 | 3629 |
夏2の11時 | 3656 | 3635 | 3629 |
夏2の12時 | 3661 | 3635 | 3629 |
登熟期は出穂の18時間後で合っていそうですね。
ちなみに登熟期の深水でも「美」は上がっていきますが私の田んぼの環境だと他のマイナス要素に勝てず変化なしになっています。
田植えと収穫のタイミングについて
最後の評価項目で「田植え」は早植・標準・遅植、「収穫」は早・普・遅に分けられます。
収穫の方は晴れているときならタイミングはあまり気にしなくても大丈夫ですが、田植えの方は「早植」をすると「粘」が上がります。
田植え・収穫のタイミングと評価
評価 | 田植え | 収穫 |
---|---|---|
早 | 春1朝6時~春3朝7時 | ~秋1朝6時 |
普 | 春3朝8時~夏1朝7時 | 秋1朝6時~秋2 |
遅 | 夏1朝8時~ | 秋3~ |
どちらも作業を終えた時点での時間です。
春1に田植えを始めて最後の1本を残しておいて、夏1の8時に終えた場合は遅植になります。
ベストな稲作スケジュール
- 田植えは早植
- 気温と水温
- 暑いときに水を入れると水温が下がり
- 寒いときに水を入れると水温が上がる
まだ何も考えていませんが逆算していけばベストなスケジュール(種籾選別のタイミング)が分かるはず。
でも温度、雑草、病気、虫とまだ調べることは多いので最適を見つけるのはもう少しかかりそうですね。
今回は時期についてある程度分かったので評価項目のページに解説を追加しておきます。
温度管理はどうするのがよいのかさっぱりです…気温と田の温度でバランスを取ればいいのか、
田の温度だけ見ればいいのか…
春の害虫が増えにくい時期に防虫-にして蜘蛛と田螺を増やす手法があるみたいです。