ゼノブレイド1との比較をメインに書いていきます。その他のゼノシリーズとも結びつけることはできるのですが今回はゼノブレイド1のみを対象としました。
まずはざっくりとストーリーを振り返ってみます。
ゼノブレイド1から
ザンザとメイナスという2つの神がそれぞれ巨神と機神に存在し、ザンザは自然豊かな巨神に人などの生物を、メイナスは機械だらけの機神にマシーナを生み出しました。
巨神界と機神界に生きる生命は、互いに手を取り合って生きていけるとメイナスは思っていましたが、ザンザは生み出した生命が次第に神であるザンザの存在を忘れてしまうことを恐れていました。
ザンザは己の存在が薄れないように生命を意図的に殺し、巨神に返し、また新たに生命を生み出すことで自分を永遠の存在にすることを望んでいました。
それをメイナスは許さなかったのでザンザとメイナスは互いに戦うことになりました。 巨神界に生きる生命はそのことを知らず、一方的に機神界から侵略を受けていると思いながら機神兵と戦争を続けていました。
その戦争の中、モナドを使う青年シュルクがなんやかんやで巨神界の神であるザンザを倒して、シュルクが新たに神となり「神無き世界」を作りました。
これがゼノブレイド1の話の大筋です。
そしてゼノブレイド1の世界は、別次元の世界で「クラウス」という人物が”新たな宇宙を作る”という危険な実験を行い、実験が失敗したことで誕生した世界です。
ザンザはその実験が行われた世界のクラウスであるとアルヴィースが語っています。
次にゼノブレイド2
ゼノブレイド2は「雲海」と「巨神獣(アルス)」からなるアルストと呼ばれる世界の物語。実はその世界はゼノブレイド1の世界を創る原因になった「クラウス」が実験を行い失敗した(崩壊後の)世界でした。
クラウスの新たな世界を創るという実験は失敗し、物や人などいろいろな物が別の次元に飛ばされて世界は崩壊しました。崩壊した世界を再生するためにクラウスは「雲海」を作りました。(雲海は崩壊した世界の物質を再構成する性質を持っている)
次にクラウスは崩壊する前の世界の全ての生命情報を持った「コアクリスタル」を雲海に放ちました。コアクリスタルは雲海と結びつきやがて「巨神獣」が誕生しました。
巨神獣は純粋な生命を生み出し、生命はやがて人間へと進化しました。
その人間が生まれた世界をクラウスは恐れていました。
「また自分と同じような人間が現れるのではないか?」と。
それを防ぐ為にクラウスは次に「ブレイド」を作ることにしました。ブレイドのコアクリスタルには記憶が蓄積されるようになっていて、その記憶はトリニティプロセッサーと呼ばれる3つのコアクリスタルに送られるようになっていました。
トリニティプロセッサーは送られてきた記憶を管理し、新たな進化コードをコアクリスタルに送ることで、ブレイドのコアクリスタルがやがて巨神獣になるとき、クラウスが恐れていたことが起こらないような世界へと進むことをクラウスは望んでいました。
巨神獣:死ぬとコアクリスタルになる。生命を生む(人間)。
コアクリスタル:ブレイドになり同調した生命との記憶を蓄積しトリニティプロセッサーに送る。トリニティプロセッサーから送られてきた進化コードを元にやがて巨神獣になる。
巨神獣は人間を生み、ブレイドは生命と同調して記憶を管理する、管理された記憶と共にブレイドのコアクリスタルはやがて巨神獣になりまた人間を生み出す。
その生命の循環の中でクラウスの望んだ正しい世界が生まれると思っていましたが、現実はそうではありませんでした。
とてつもなく長い生命の循環の中でも人間は、崩壊する前の世界と同じで変わることはありませんでした。
クラウスは諦め全てを放置することにしました。
そして500年前クラウス(神)の所へ「マルベーニ」がやってきました。マルベーニは神には会えず、トリニティプロセッサーの内2つのコアクリスタルを持ち帰りました。クラウスは正しい世界を再生させることを諦めていたので何もしませんでした。
マルベーニが持ち帰ったコアクリスタルの内「ロゴス」と呼ばれる方をマルベーニが同調しメツが生まれ、「プネウマ」と呼ばれる方をアデルという男が同調し「ヒカリ」が生まれました。
マルベーニはクラウスと同様に人の愚かさ醜さを知っていて、メツを利用してその世界を変えようとしました。その結果メツはマルベーニの影響を受け「世界を終わらせる」ことを望みました。
暴走したメツをマルベーニも止めることができず、アデルはヒカリを使いメツを止めました。その後アデルは英雄と呼ばれるようになりました。
———それから500年後こうした背景の中、循環する生命の流れに抗おうと、レックスは「楽園(世界樹)」を目指すというゼノブレイド2の物語は始まります。
なんやかんやで世界樹、神であるクラウスが居るところへレックスはたどり着きます。そして世界を終わらせようとしていたメツも倒します。
世界を諦めていたクラウスでしたが、ホムラとレックスが再同調するという本来ありえないことが起こり、同時に扉(ゲート)が再び動き出したことで「世界は変わるのかもしれない」と思いました。
ゲートの消滅と共にクラウス本人も消えてしまうことを悟り、クラウスは最後に雲海と巨神獣による生命の循環システムを変えました。変わった世界では雲海が海になり巨神獣たちは世界樹とひとつになり、それが「楽園」になりました。
こうしてレックスは楽園へとたどり着くことができました。
若干ストーリーを私独自に飛躍させたところがありますが、そういうのも含めて他人のストーリー考察を読むのは面白いと思うので許してください。
- ゼノブレイド1と共通していた点
- 新たに明らかになった点
- ゼノブレイド2で不明だった点
ではではこの3つをピックアップして見ていきたいと思います。
ゼノブレイド1との共通点
ゼノブレイド1ではシュルクが神無き世界を作り、ゼノブレイド2ではクラウスが消え生命の循環システムも変えることで神がいなくなりました。
ゼノブレイドシリーズでは両方とも神が悪として存在していてそれを倒すのがメインになっています。ゼノブレイド2では悪の神が作った悪の世界を変えるという感じですかね?これら両方共が「グノーシス主義」という思想が元になっていると思います。
ゼノブレイド、ゼノシリーズの用語名などを調べたことがある人は、このグノーシス主義が元になっていると知っているかもしれません。
ゼノブレイド1の機神界盟主エギルが乗っていた機体「ヤルダバオト」はモロにグノーシス主義に出てきますし。
今回ゼノブレイド2でも「アイオーン」が登場しました。
もしグノーシス主義を知らなかった人は一度読んでみると面白いのでおすすめします。
反宇宙論
グノーシス主義は、地上の生の悲惨さは、この宇宙が「悪の宇宙」であるが故と考えた。現象的に率直に、真摯に、迷妄や希望的観測を排して世界を眺めるとき、この宇宙はまさに「善の宇宙」ではなく「悪の宇宙」に他ならないと考えた。これがグノーシス主義の「反宇宙論」である。
二元論
宇宙が本来的に悪の宇宙であって、既存の諸宗教・思想の伝える神や神々が善であるというのは、誤謬である、とグノーシス主義は考えた。
ここでは、「善」と「悪」の対立が二元論的に把握される。まず、善とされる神々が、この悪である世界の原因であれば、それは悪の神であり、「偽の神」である。となるとその場合、どこかに「真の神」が存在し、「真の世界」が存在するはずだ、と考える。
悪の世界は「物質」で構成されているので、故に物質も悪と判断する。物質で造られた肉体も然りである。一方、「霊」あるいは「イデアー」が「真の存在」であり、「真の世界」である、と解釈される。
善と悪、真の神と偽の神、また霊と肉体、イデアーと物質、という「二元論」が、グノーシス主義の基本的な世界観である。これが「反宇宙論」と合わさり、「反宇宙的二元論」という思想になった。
現実世界と同様に生命は海と大地から生まれるということでしょうか?悪の神に作られた悪の世界では、人間の循環は意図的に途切れさせられているので海ができることでその意図的な循環の流れが変わったことが表現されているという感じですかね。
ゼノブレイド1ではホムス(人間)と機神兵の対決
ゼノブレイド2では人間とブレイドの対決
両方とも最後は手を取り合って神を倒しています。ゼノブレイド2では間にマンイーターんどもいますね。どういうテーマがあるのかは分かりません。
ゼノブレイド1ではザンザが、ゼノブレイド2ではマルベーニが
両方とも生命を意図的に循環させることで自分の存在を永遠のものにしようとしていました。マルベーニの方は本当の神にもなれずいろいろと悲しい結果に。
ゼノブレイド1ではザンザのモナド、メイナスのモナド、シュルクたちの第三のモナド。
ゼノブレイド2ではホムラの剣、ヒカリの剣、本当の天の聖杯の剣。
天の聖杯の剣は透明で光り輝く剣だったという点も第三のモナドと同じですね。
7話の第三の剣が出てきたときは驚き興奮しました。
シュルクがモナドを使って行っていた未来を見る力、ヒカリは因果律予測という力で同じく未来に起こる出来事を視覚化していました。ワクワクしました。
他にも細かいところで似ている点はあると思いますが次にいきます。
新たに明らかになった点
これはもしかしたら違う可能性もあります。クラウスは「ウーシアは時空転移現象と共に消えていた」としか言っておらず、アルヴィースもまたただのコンピュータだったとしか言っていません。
アルヴィース=モナド=ゼノブレイド1の世界を作っていたコンピュータ=ウーシア
ゼノブレイド2でクラウスは半身がいずこかの次元へ飛ばされたと言いました。
そしてその世界からはシュルクの声と台詞が聞こえてきました。
ゼノブレイド1ではアルヴィースがクラウスのことを「まだ神となる以前 血と肉をもっていたころのザンザだ」と言っているので確かでしょう。
クラウスは世界が崩壊する前から人に対して絶望を抱いていました。ゲートが現れたことでクラウスは別の次元に存在する世界へと解決を求めようとしました。
結果ゲートを利用した実験は失敗したのですが・・・。
いろいろな物や人が別の次元へ飛ばされて世界が崩壊しましたが、一部の人たちはモルスに今でも生きていました。(化物になっていますが)
2017/12/27 追記
ゼノブレイド1では名前が不明で声だけはメイナスと同じで、シュルクも「昔のメイナスか?」と言っていました。今回名前が「ガラテア」であることが判明しました。
そして確定ではないですが、彼女のその後の姿も8話で登場していました。私も見返して気づいたので追記しました。コメントありがとうございます。
シンと共闘してモルスから脱出するときに倒した「人のなれ果て」。倒した後にレックスが何かを拾っているシーンがありました。
プレイ中は一瞬だったので何だったのか分かりませんでしたが、改めて見るとガラテアが胸に付けていたネームプレートに非常に似ています。画像を比較してみました。
やはり同じものだと思います。しかしネームプレートがあったというだけでガラテアかどうかはハッキリしていません。メイナスの存在もあるのでどうなのでしょうか?
なれ果てを倒した場所はおそらくゲートがあった場所?だとするとなれ果て=ガラテア説は濃くなりますが・・・。
このぐらいでしょうか、最後に不明だった点について。
ゼノブレイド2で不明だった点
ハッキリと消えるシーンは映ってないのですがクラウスは消えると言っていましたし、最後に楽園の情報と権限をホムラに渡して、生命循環システムも変更していますし。
ゲートと共に消えたんだと思いますが、それがどうなったかは不明です。
次回作以降に持ち越しということでは?ワクワク
ホムラとヒカリが1つになった後からレックスが剣を掲げると空間に穴が空きそこから光が流れてきています。クラウスは「我々には知覚しえない遥か次元の彼方から漏れ出してくる力」だと言っています。その次元とはどこのことなのでしょうか?
セイレーンから放たれたビームが空間にできた穴を通して届いているようなシーンがありましたが、どこの次元のセイレーンなのかは不明です。
終盤にいきなり出てきてバトル中でも思いっきり「モナド」と言っています・・・。
途中まではメツは別の武器を使っていました。モナドは一体?自身がブレイドとして生み出した武器ということでしょうか?ホムラから力を取り返したことでメツの胸のコアクリスタルは元通りになり、それでモナドも使えるようになった?
同じトリニティプロセッサーであるアルヴィースもモナドを作っていましたしメツがモナドを作り出してもおかしくはない?となると最後レックスが使っていた剣もモナドだと言っても過言ではない?飛躍しすぎですね。
メツとのラストバトルの前にメレフがメツに向かって意味深なことを言っています。
「この物 まさか」
まさか何よ!?カッコつけて言いたかっただけだと思いますね。そうしよう。
長くなりましたが読んでいただきありがとうございました。
簡単な構図も画像にしました。(転載する際はネタバレへの配慮もお願いします。)
次回作以降も期待して待ちましょう!
人間とドライバーではなく、人間とブレイドでは無いでしょうか。