ゼノブレイド3のオフィシャルアートワークス「アイオニオン・モーメント」を買ったのでレビューと感想を書いておきます。
本編では明かされなかった設定や、この先の話が書かれていたので大満足の内容でした!
アイオニオン・モーメント
ゼノブレイド3のオフィシャルアートワークスです。448ページのボリュームなので結構な値段になっていますが、公式グッズとして実用性もあって良い商品です。
内容は8割が開発に使われるアートワーク、1割が台詞集、1割が開発チームの座談会・インタビューというような構成になっています。
表紙はこんな感じです。
カバーを取るとノアミオのキッスが尊いです。
撮影が下手なのでちょっと分かりにくいですが、二人とも頬を赤らめているのがまた。ええもんじゃな~(じっちゃん)
アートワークはこれまでにも限定版などで載っていたものが多いですが、saitomやモノリスのキャラクターデザインに関わった開発者のコメントが全キャラ分載っているので、見え方も違って新鮮です。
アグヌスとケヴェスは所属で武器種もしっかり分けられていたことなど、意外と気付いていないことも知れました。
苦労話ではマシロのキャラデザで一番多くの没デザインが生まれたことなどが書かれていました。ヒーローはそのままクラスになるので、ランツに着せることも考えないといけないので、アイドルよりも応援団っぽさを出したなど。
世界(舞台)のアートワークもたくさんあります。コメントは少なめです。
プレイ中はあまり注目していない細かなオブジェクトも、こうしてアートワークがあって3Dモデルが作られて、ゲームに登場していることを考えると大仕事なんだなと、改めて感じました。
あとはゲームに登場していないイメージも興味深いです。画像の町はモナドのような屋根に覆われているのが印象的です。
セリフ集はキャンプでの相談とキズナビューがまとめられています。ヒーローの有無でテキストが変化するものなどが分かって便利です。
開発スタッフの座談会とインタビューには本編に収録されていない話が載っています。
ソーカントクが話していることなので、本編のストーリーと同じぐらい「価値」というか大切なものなので、買って読んでからこの先を見てください。
個人的には追加ストーリーを見せてもらったぐらいの感じだったので、この先はネタバレになります。
開発スタッフ座談会について
座談会で話されていたことの簡単なまとめ
- ゼノブレイド3はコロナと重なって大変だった、よく頑張った
- ゼノシリーズは毎回新しいことに挑戦している
- バトルシステムは分かりやすくなる方向を目指した
- ゲームエンジンなどプログラム的なことは整ってきた
- 弱みはUI
- コアとマスの両立
- みっちゃん最強
- キャラデザは難しい
- ドラマカットには力を入れている、表情が強化された
ゼノブレイド3の開発時期はコロナと重なった
まずクリエイター陣の紹介と近況報告が書かれていて、ゼノブレイド3の開発がコロナと重なって大変だったことが書かれています。
ただでさえ規模の大きなゲームなので大変なのにリモートを強制されて、必要なコミュニケーションを取りにくかったことなどが語られていました。
そんな中でもよく頑張ってくれたとソーカントクは言っています。
そして『ソーカントクから出される要求は結構無茶なものがある』という風に開発チームが言っているのは意外でした。
私の印象ではスゴウデ職人が揃っていて、サクサクこなしているイメージでした!
ゼノシリーズは毎回新しいことに挑戦している
これは皆さん口を揃えて言っているのが印象的でした。
同じシリーズを作っていても進化や成長の意識を持って取り組むのが大切なんだなと。それがあって今のクオリティーになっているわけですから。
バトルシステムは分かりやすく
ゼノブレイド2のバトルシステムが高く評価されていることは開発も分かっていて、それと同時に複雑になって取りこぼしている層があることは課題だったと。
ゼノブレイド3ではチュートリアルを増やしたり、トレーニングモードを作ったりなどのフォローを入れて一定の成果はあったと。
開発環境も整ってきた
初代のゼノブレイドからクロス→2→3と進んでゲームエンジンやらの開発環境が整ってきたと書かれていました。特にクロスは大変だったことも。
そもそもWiiでゼノブレイドが動いていたり、WiiUでクロスが動いていること自体が凄いことですが、次は次世代機で登場するでしょうから画面のクオリティーはまた一段とアップしそうですね!
Switchでもパーティーが6人固定で、敵も含めると30キャラぐらいが戦闘に参加していたりと、当然のごとく凄いことをやっています。
弱みはUI
これは私も「悪い点」として挙げられているのをよく見ていましたが、開発にも伝わっていたようです。
個人的にはシリーズを通して、必要十分を満たしていて弱みではないと思っています。
UIの理想(評価の基準)は
- 必要な情報が瞬時に得られる
- 必要な物に瞬時にアクセスできる
この2つですが、完璧に満たしているゲームは少ないです。
革新的なシステムが生まれるまでは要素量とトレードオフなので、ゼノブレイドの規模から考えると必要十分を満たしていると思います。
もちろん目立って「良い」とも思いませんが、本当に「UIが悪い」とするゲームは要素の数は大したことがないのに区別がつきにくかったり、やたらと深い(遠い)場所に収められていたりするので。
あとは視覚的に「楽しい」だったり「格好いい・可愛い」ものもボーナス加点で評価が上がるので、こっちを目指すのもアリですかね。
コアとマスの両立
ソーカントクがチラッと触れていますがRPGのジャンルでは本当に悩ましいですよね。
一応説明しておきますがマスは「大衆」つまり売上の話です。
私はRPGを好んでFFもドラクエもポケモンも、マスに属するシリーズのナンバリングはほぼ全作品(FFは最近離れている)遊んでいるので、ゼノブレイドのクオリティーがあって、何故そこに入れないのかと考えることがあります。
1つの要因はやっぱり「コア」でしょうね。
凝ったものにし過ぎると入れないと感じさせてしまうので、それを感じさせない造りになっているドラクエはRPGでも常に国内100万本の壁を超えていきますから流石です。
>じゃあ、ゼノブレイドもそっちを目指せば良いのでは?
マスを獲得するにはその通りですが、実際にそうなれば私を含めた全国50万のノポンが悲しむでしょう。そしてソーカントクもそれは分かっているので、大きく舵を切っていないんだと思います。
経営の立場から考えればコアを排除していく流れになるのが普通ですから、ゼノが変わらずにあることは本当にありがたいことです。私たちは引き続き買う(遊ぶ)ことで応援していきましょう!
みっちゃん最強
みっちゃんとはソーカントクが呼ぶ光田さんことです。開発チームが言っているようにソーカントクの要求は無茶なこともあるようで、光田さんも完成時に毎回『もう二度とやりたくない』と言っているみたいで、笑いました。
でも音楽も物量がエグいので光田さんがそのように言うのは想像に易いです。
光田さんの楽曲が良いことはもちろんですが、ソーカントクからの注文にも絶妙に合わせてくれると書かれていて「最強」なんだなと感じました。
キャラデザは難しい
SaitomとCHOCOのインタビューではゼノブレイド2のキャラデザを自由に「やってしまった」と書かれている部分が印象的です。
そのあとにゼノブレイド2では「良くもあり悪くもある」部分があったというようなことも書かれています。
これもコアとマスの話なのかなと思いました。露出が目立ちすぎるとマスから離れてしまいますし、ストーリーに集中できなかったりもしますし。
紳士ノポンの本心としてはSaitomワッショイでやりまくって欲しいのですが!
あと過去のインタビューでもSaitomは外部の意識が強いのも印象的です。立場としてはその通りだと思いますが、プレイヤーの視点ではSaitomも開発側なので同じように見えています。CHOCOさんは歴が長い分手慣れている印象です。
ドラマカットには力を入れている
ゼノブレイドの頃からドラマカットには力を入れていて、自信を持っていること、今回は表情を大きく強化できたことが書かれていました。
私もゼノブレイドをはじめて遊んだときにイベントシーンが他とは全く違うというか、「ムービーじゃないのにめちゃくちゃ見ごたえがあるぞ!」という印象を持ちました。
そのことを高く評価できる(気づく)までは時間が掛かったのですが、何周もした状態でDEを遊んでも凄く見ごたえがあったので、本来はマップと同じぐらい高く評価される部分なんですよね。
アンケートへのレスポンス
すでに長くなっていますがここからが本番です!
本編で説明されていない部分を含めたソーカントクの解説をまとめて見ていきます。
- ゼノブレイド3の世界は仮想世界のようなもの
- 黒い霧は世界が部分的にくっついたことで起こる現象
- 霧の王はゼノブレイド2の世界が投影されたもの
- ゼノブレイド2にあったIDカードはガラテアのものではない
- ランツはマシーナ
- エヌが持つ終の剣はロゴス
- ラッキーセブンはフィオルン
- シュルクの長髪はものぐさ
- ノポンの寿命は知らない
- おくりの粒子の色はおくる者の心情による
- フードの少年はノアの深層心理に眠るエヌの一部
たくさんありますが、これでも半分ぐらいしか拾えてないです。本当は正確に文章を書き起こして考察したいところですが、時間をかける必要があるので考察が進んだらまた書きます。
ゼノブレイド3の世界は仮想世界のようなもの
これについてはクリア後考察で書いていたので見返して欲しいです。
コメントではそう思う・そう思わないが半々ぐらいでしたが、当たってたから威張り散らすも!
でもソーカントクはハッキリと仮想世界とは書かず『アイオニオンは仮想世界のようなものと思ってもらえばいい』書いているので、何か仕掛けがあるようです。
そしてまたゼノブレイド3の世界のその先が見れるかもしれないとも書かれています。現行で作っているものではなさそうなので、最速でも5、6年は掛かるような印象ですね。
黒い霧は世界が部分的にくっついたことで起こる現象
実際に2つの世界が近づいていることを示唆しているんですね。
でもアイオニオンはオリジン内でシミュレートされた仮想世界なので、現実の方はすでにくっついて消滅していると考えてもよさそうです。
外の現実ではなく、シミュレートされた中の世界でも黒い霧が再現されていたのは何故だろう?と思った人はもう一度ストーリーを見返す必要があるかもです。
これは私の解釈で完全に合っているとは言い切れないのですが、こういう感じです。
- オリジンは1と2の世界の全ての情報を仮想世界として再現するもの
- 本来はオリジン内で1と2の世界をそのまま再現するのが目的だった
- オリジン内でシミュレートされている仮想世界は、衝突を避けたい、立ち止まりたいという意志の集合から再現された世界
- アイオニオンは衝突の途中の状態で、衝突は今も進行している状態を再現している
ソーカントクの言い方だとおそらくオリジンにはまだ秘められた力があると思います。
仮想世界のようなものを再現しているけど、それは現実の世界でもあるみたいな?そんなイメージも湧いてきました。
仮想世界よりももっと規模の大きな設定で包むこともできそうなイメージもあります。
霧の王はゼノブレイド2の世界が投影されたもの
繋がる未来で出てきた「霧の王」はゼノブレイド2の世界にいたグルドゥが、2つの世界が近づいたことで発生した現象とのこと。
ゼノブレイド3が発表されるまでは「繋がる未来」がまさにその意味だったことは思いもしませんでしたが、説明されると納得です。
「新たなる未来」もゼノブレイド3本編のエンディングがまさにその意味ですね。
ゼノブレイド2にあったIDカードはガラテアのものではない
これもゼノブレイド2のクリア後考察に書いていたのですがキッパリと否定されました。
IDカードは一般職員のものです。あの地点では特に干渉していないということですね。
ランツはマシーナ
ランツは大柄でありながらもゴツゴツしているわけではないことがアンケートで聞かれたみたいですが、ゼノブレイドのマシーナがゴツゴツして見えるのは「衣装」とのこと。
脱いだらスラッとしているのが普通なので、ランツもおかしくないよと。
>ミゴールさんは?
ヒョーッヒョッヒョw わし3000年も生きてるからねw
エヌが持つ終の剣はロゴス
皆さんそうだろうと思っていたはずですが、ついに確定しました!
メツはゼノブレイド2のエンディングで消滅して、その後何かあって、終の剣になっていたと。経緯については濁されているので早ければ次回作にメツの出番があるかもですね。
ロケーションに「格納庫」があったら笑います。
ラッキーセブンはフィオルン
考察しながら真剣に読み込んでいたので、ソーカントクの言葉を見た瞬間に思いっきり吹き出しました。
考察はコメントも頂いてよく見ていますが一番ぶっ飛んでます。
でも仮想世界のイメージがあるので、この設定もすんなり入ってきました。シュルクとレックスはあの姿で出てきましたが、フィオルンや歴代メンバーも別の姿で力を貸していたわけです。非常に熱い。
ラッキーセブンがフィオルンであることに気付いている方は一人もいませんでしたが、ビャッコが出ていることに気付いている方はいました!
仮想世界で再現されるのは人の姿だけじゃない、というヒントもしっかり撒かれていたわけです。(ビャッコは元から人ではない・・・?)
シュルクの長髪はものぐさ
シンプルに面倒だから切っていなかったようです。研究に没頭して他がおろそかになるシュルクらしいですが、あの姿はダンバンさん憧れから来る長髪なんだと捉えていた人もチラホラ見た(私も感慨深く思っていた)ので笑いました。
ノポンの寿命は知らない
リクが全てを知っていたことに対して、あいつは策士だよと。ノポンは寿命もハッキリしていないし、いい加減な部分があっても許容される存在なんだなと改めて思いました。
テレシアに並ぶような特別な存在にも感じますが本当のところは・・・。
開発スタッフの娘さんにリキファンがいることも書かれていました。私も歴代オトモの中では一番好きです。
任天堂のグッズでぬいぐるみを出して欲しい。
おくりの粒子の色はおくる者の心情による
おくりの儀式は皆の不安を取り除くために必要な行為で、その効果を増すための再現という感じですかね。
正しくおくられた場合は青色、そうでない場合は赤色、完全に不要とされて消去される場合は金色と。
これも仮想世界であることの証明とまではいきませんが、納得できる材料です。
フードの少年はノアの深層心理に眠るエヌの一部
少女ミオなのか、少年ノアなのか、息子(ゴンドウ)なのかと色々考えられてきましたが正体はノアの内に眠るエヌの一部でした。
これは意外な感じもしました。ノアの中に眠るエヌはまだ闇落ちしていない状態?
大変長くなりましたが以上です。
今回のアートワークスは開発裏話や、ソーカントクの話がたくさん載っていたのでとても満足しました!開発全員に感謝の気持ち、そして次回作への期待も高まりました。
ニアの背負うホムヒカの剣だったりなんとなくは分かるけどハナの役割、そしてレックスのもう一人の子供は次回作で分かるといいですね。
サントラのイラストの流れ星があらみらのEDと一致してるのが偶然だったのわ笑いましたも