Googleが提供する新しいゲームプラットフォーム「STADIA」について色々調べたのでその紹介と、感想などを書いておきます。
基本的なこと
STADIAとは
Googleが提供するゲームのストリーミングサービスです。
ゲームのストリーミングとは
ゲームの処理を全てサーバー上で行い画面に映る映像を”動画”として配信するサービス。
ユーザーはPCやスマホなどでサービスを利用できる。
ゲームストリーミングのメリットデメリット
メリット
- ゲームの処理がユーザーの使うPCやスマホの性能に影響されない
- ゲームハードを新たに購入する必要がない
- データ改ざん系のチーターがいない
デメリット
- 安定したインターネット環境が必須
- サービス期限を過ぎると遊べなくなる
- 入力の遅延がある
まずはメリットから見ていくと、ゲームハードを購入する必要がないというのが一番の利点であり強みですね。家庭用ゲームの場合は5-6年周期で新しいハードが出て3-5万円ぐらいの初期経費がかかります。
グラフィックの向上とハードの性能の向上がなければ同じようなソフトばかりになるのでこれは避けることができませんでした。しかしストリーミングではサービス提供側がサーバーの処理性能を強化するのでユーザーに負担はかかりません。
ハードを新たに購入する必要がないのでユーザーの数が桁違いに多くなる可能性も秘めています。スマホユーザーは世界で30億人以上いるのでその可能性は計り知れないです。
処理性能に差が出ないことは公正な勝負にも繋がります。複数のハードで遊べるソフトはハードの処理性能に依存して処理が遅れたりすることがあります。それによってゲームプレイに優劣が出ることもありましたが、それが無くなります。
またユーザーはサーバーに入力(操作)を送れるだけなのでデータ改ざん系のチートも無くなります。
次はデメリット。一番大きなデメリットはオンライン環境が必須なことです。それも質の高い通信が必要です。スマホでも動きますが現実的に考えてWi-Fi環境は必須でしょう。
通信速度が遅いとサーバーから送られてくる画質も下がります。
画質だけでなく入力の遅延が起こったりもします。理想的な通信状態であればデメリットは「ソフトを所有できない」ことだけになると思います。
STADIAの特徴
Chromeで実行できる
STADIAはウェブブラウザのChromeで利用できます。Chromeが動くハードなら同じ環境で遊べます。Chromeの最新バージョンが動かないハードでは利用できないでしょう。
(今後はChrome以外のソフトも提供されるかもしれません)
PCやスマホに接続できるコントローラーは全てサポート
SwitchのJoy-Conは無線と分離型という特殊なコントローラーですが、それすらもサポートされるので現行の家庭用ハードで使われているコントローラーは何でも使えそうです。
1000人規模のオンライン対戦ゲームが出てくる
同じサーバー上で処理するのでオンライン対戦での「同期」にはめっぽう強いです。
対戦相手がいきなりワープしたり、画面が停止したりすることは極端に減るでしょう。
ただし他のハードとのクロスプレイをする場合は今まで通りラグは発生します。
1000人規模の対戦ゲームも実現可能だとされています。実際にそれが面白いかどうかは別の話ですが、夢はありますね。たぶん薄味になってスピード感もなくなって対戦重視の遊びでは面白くないと思います・・・。
プレイ状況の共有
今遊んでいる状態(セーブデータ)を即座に共有することができるようです。
ライブ配信している人と同じ状態のデータを即座に体験できたりするようです。凄いようにも感じますが、この機能を使いたい人がいるかどうかは疑問です。
仕様によっては交互に共有してソロ専用のゲームでも1P2Pプレイみたいなことができるかも?できたら面白そうです。
STADIAが登場したゲームの未来
STADIAは浸透(普及)するのかどうかについて。
超えなければならない問題
まずは入力遅延です。これは既に検証されたデータが少し上がっていたので見てみます。
– | Stadia | Stadia 15mbps | Project Stream | PC 30fps | PC 60fps | Xbox One X |
---|---|---|---|---|---|---|
ラグ1 | 166ms | 188ms | 179ms | 112ms | 79ms | 145ms |
ラグ2 | 166ms | 188ms | 200ms | 133ms | 100ms | 166ms |
Google Stadia hands-on: streaming analysis and controller impressionsより
ラグ1コントローラーで操作してから描画が完了するまでの時間です。
ラグ2は描画されたものをモニタに表示するまでの時間です。モニタの遅延も含まれていて実際に表示されるまでにかかる時間です。
「Project Stream」はSTADIAの開発途中の名前です。
「STADIA 15Mbps」は通信環境が悪い状態を想定したときの状態です。
STADIAの内部処理は測定できないのでSTADIAのラグ1は正確ではありません。
結果を見るとXbox Oneと同じ結果になっていますね。1Fが16.66msなので166msは10Fです。低遅延のモニタを使っても10Fありますが、これは他の家庭用ハードと比べても標準的な値です。
Xbox Oneと同じってことは何も問題ないじゃん!
と思いますが注目すべきは通信環境が悪いときの値です。データでは1Fの差ですが実際に遊ぶともう少し大きな変動があるでしょう。
とても小さな差に思えますがゲームの種類によっては致命的な欠陥になりまえす。
特に格闘ゲームなどシビアな操作が要求されるものでランダムな遅延が起こることは許されません。
逆にそれほどシビアな操作を要求されないゲームに関しては家庭用ハードと差がないと考えて良いです。数値だけでなく実際に触ってみてもその差は認識できないと思います。
誰が利用する?
ハードの性能問わずに利用することができますがスマホで遊ばれるのかどうかは未知数です。提供されるゲームのほとんどはコントローラーが必須でしょうから現行のスマホユーザーとは相性が良くないと思います。
Wi-Fi環境も必要なので出先で暇つぶし感覚で遊ばれることもないでしょう。たとえWi-Fi環境があったとしてもかなり質の高い通信が求められるので動画を見る感覚では利用できないと思います。
ハードの性能を問わないことでグラフィックが凄いゲームも遊べるようになるのですが、実際に遊ぶのはスマホユーザーではなくPCユーザーになる気がします・・・。
料金はどうなる?
まだ何も発表されていませんがいろんなゲームのサービスがある中で考えると、
月額1000-2000円で遊び放題ならすぐに受け入れられると思います。もう少し高くてもソフトが揃っていれば問題ないと思います。
3000円の定額だとすると年間36000円です。毎月1本遊びたいソフトが遊べれば12本で36000円は安いですよね。家庭用ゲームだと倍ぐらいかかるでしょう。
おそらくかなりお得なサービスになると思います。
ストリーミングサービス登場で家庭用ゲームは変わる?
スマホでゲームをする人が増えたようにストリーミングサービスが広く普及すれば「ハードを購入しなければならない」というのはデメリットになりますが問題ないと思います。
それは「ハードはソフトを遊ぶためにある」という根本的な理由があるからです。
遊びたいソフトがあればそれを遊べるハードを買うというのは当然です。
私なんかは「ゼノブレイド2」が絶対に遊びたかったのでNintendoSwitchを購入しました。もし「ゼノブレイド3」がまた別のハードで販売されてそれが高額になったとしてもも迷わずに購入するでしょう。
逆に言えばどんなに安くても遊びたいソフトがなければ買わない(利用しない)でしょう。
ソフトとハードの関係は「ソフトありき」で成り立っています。
「料金」や「遊べるソフト」の情報が出ていないので普及するまでは厳しい道のりになるんじゃないか?という風に私には見えました。
実際にサービスが始まったらすぐにでも体験したいのですが、日本の開始予定は告知されていません!北米の方は2019年サービス開始らしいです。
楽しみに待っておきましょう!
似たようなサービスをYahooやアプリ(Gクラスタとか)でソフト月額制でやってるんですが全く流行りませんね。ラインナップはff13等です。
やはり通信量と速度で気軽に外で出来ないというのが問題です。Googleは新しい通信規格5Gを見越しての参入と思いますがps4のソフトや話題のAPEXがプレイ出来たとしても、日本では通信量の問題があります
PCユーザーとしてはソフトのラインナップを楽しみにしています〜